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長野の千曲川 仮堤防撤去へ 本復旧へ地盤・地質調査 - 信濃毎日新聞

 国土交通省千曲川河川事務所(長野市)は23日、台風19号災害で決壊した長野市穂保の千曲川堤防決壊箇所を埋めている仮堤防について、24日に撤去を始めると発表した。本復旧堤防の設計をする上で、基礎地盤や地質を調べるため。本復旧は「なるべく早く実施する」と説明。仮堤防がなくても、仮堤防を囲う形で鋼材を打ち込んだ「締切(しめきり)堤防」があるため、「周囲の堤防と同程度の機能」を保てるとしている。

 仮堤防は、長さ約70メートルの決壊部分を土や石で埋め、決壊前と同じ約5メートルの高さを確保。決壊から4日後の昨年10月17日に工事が完了し、同30日に締切堤防が完成した。

 仮堤防の撤去にかかる期間の見通しは示していないが、その後の調査では仮堤防下の基礎地盤や、決壊現場付近の堤防の地質状況を確認。水が浸透しやすい砂利などの層がないか―などを調べる。

 今回の決壊について、有識者でつくる同省の千曲川堤防調査委員会(委員長・大塚悟長岡技術科学大教授)は、越水で堤防の住宅地側が削られ、水圧に耐えきれなくなったのが主な原因と結論付けた。堤防地下の砂利などの層に水が浸透して決壊した可能性については、堤防の基礎地盤が粘性の土で水を通しにくいため主要因ではないとされたが、仮堤防撤去時には浸透の可能性についても精査することになっていた。

 千曲川河川事務所は「しっかりと調査する」と説明。今月上旬から決壊現場の上下流の堤防でもボーリング調査をし、地質を調べている。

(1月24日)

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