【ジュネーブ=杉野謙太郎】世界の航空会社でつくる国際航空運送協会(IATA)は14日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、各国の航空会社の2020年の旅客収入が19年から3140億ドル(約33兆7200億円)減少するとの試算を発表した。前年比55%減となり、IATAは各国に資金援助や税の軽減などの支援策を早急に講じるよう訴えた。
発表によると、世界の航空便数は今月上旬時点で、年初の20%程度に落ち込み、大打撃を受けている。試算は、国際的な移動制限の長期化や、感染がアフリカや中南米まで拡大したことに加え、世界的な景気後退で国際的な需要回復の見通しが立たないことなどを踏まえたという。
地域別では、アジア・太平洋の各社の落ち込みが総額1130億ドルと最大で、全体の約36%を占めた。欧州の890億ドル、北米の640億ドルと続き、中東は240億ドル、中南米も180億ドルの減少と見積もった。
IATAは3月24日、20年の旅客収入は2520億ドル(約27兆600億円)落ち込むとの試算を発表していたが、下方修正した。アレクサンドル・ドジュニアック事務局長は、「業界の先行きは日ごとに暗くなっている。緊急支援なしに、多くの航空会社は生き残れない」と指摘している。
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世界の航空会社、33兆円の旅客収入減「支援なしでは生き残れない」 - 読売新聞
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