新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全国で解除されて一夜明けた26日、最後まで宣言の対象だった東京など5都道県でも、日常の風景が少しずつ戻り始めた。通勤電車は一部で混雑がみられ、学校では子どもたちの受け入れはじめた。ただ、依然マスク姿の人は多く、感染への警戒は続いている。
■午前9時30分 東京・世田谷

休館していた世田谷区立中央図書館では22日から予約済みの本を無料で郵送するサービスを始めている(26日午前、東京都世田谷区)=小園雅之撮影
世田谷区内で最も蔵書が多い区立中央図書館。22日から希望者に無料で予約資料を郵送するサービスを開始したところ、数日間で500冊近い申し込みがあった。この日も予約済み資料が詰まったカートがずらりと並び、スタッフが黙々と本の箱詰め作業をしていた。6月1日からはネットで予約した本の窓口での受け渡しも始める。全面的な開館は7月になる予定で、谷沢真一郎館長(53)は「開館を待ちわびている人には申し訳ないが、感染症対策を取りながら段階的に開館していくつもりだ」と話す。
■午前9時すぎ 駒沢オリンピック公園

遊具に巻かれたブルーシートをはがす関係者(26日午前、東京都目黒区の駒沢公園)
東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園では、公園管理所職員ら約10人が閉鎖していた園内遊具の利用を約1カ月ぶりに開放するための作業を始めた。立ち入りを禁止するためのネットの仕切りや、遊具を覆ったブルーシートを取り外していくと、児童らが早速ブランコをこいだ。祖母(70)とともにジョギングをしていた同区の小学2年、藤田悠佑君(7)は「運動は走ってばかりだったので、早く鉄棒で遊びたい」とうずうずした様子。祖母も「公園に子供たちの姿が戻ればうれしい」と顔をほころばせた。管理所の担当者は「利用後の手洗いうがいなど、感染症予防の注意は忘れずに」と呼びかけていた。
■午前9時 東京・茅場町

一時260円超上げ、2万1000円台で推移する日経平均株価(26日午前、東京都中央区)
26日の東京株式市場では日経平均株価が続伸。一時は2万1000円台に乗せた。東京・茅場町では証券会社の株価ボードに目をやる個人投資家らの姿も。電気部品会社に勤める千葉県館山市の男性(60)は「緊急事態宣言が解除されたことで、フラストレーションを抱えていた人たちが街へ出てお金を使うと思う。(株価は)秋ごろまでは上向きの状態が続くだろう」と期待を寄せていた。
■午前9時 東京・丸の内
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東京駅周辺は通勤時間帯がピークを過ぎると、通勤客がまばらになり私服姿も目立つように。宣言解除を受け、静岡市の女性会社員(49)は一人暮らしの大学生の娘に会うために新幹線で上京した。政府は県境をまたぐ不要不急の移動を月末まで控えるよう求めているが、「親戚もいない中、ひとりで上京して暮らしている娘が大丈夫か気になって」と心配になって来たという。「もっと早く様子をみたかったが、感染が怖いと娘に止められていた。ようやく直接会える」と話していた。
■午前8時半 東京・品川

シェアオフィス利用者は入室する前に念入りに手の消毒をしていた(26日午前、東京都品川区)
メーカー勤務の30代女性会社員は会社が契約している品川区内のシェアオフィスに出勤。宣言が解除されてからも勤務先はリモートワークを推奨しているといい、「職場まで電車で1時間半もかけて向かう必要がないのは感染リスクを避けられるし、仕事に割ける時間が増えるのでとても助かる」と喜ぶ。自宅には同じく在宅勤務中の夫がおり、保育園の登園自粛が続く3歳と1歳の子どもたちの面倒を交代制でみている。「自宅では仕事がはかどらないが、シェアオフィスがあることで生産性が上がっている。会社が多様な働き方を認めてくれるようになり、働き方改革がより進んでいるように感じる」と語った。
■午前8時すぎ 東京・港

東京入国管理局に並ぶ在留外国人ら(26日午前、東京都港区)=藤井凱撮影
東京入国管理局には、受付開始の30分前にも関わらず200人超が行列を作った。3分間隔で到着する路線バスは満席で、ビザの更新申請者と局関係者がどっと降りてくる。局の敷地内に並ぶ人は足元の目印に沿い1メートルほどの間隔を開けているが、歩道にあふれている列の後方は間隔を詰めて並んでいる。午前8時すぎから整理券を配る係員が現れ、「整理券に書かれた時間に来てください」と声をかけたが、列を動く人はほとんどいなかった。
■午前8時 東京・品川駅

マスク姿で通勤する人たち(26日午前、JR品川駅)=藤井凱撮影
緊急事態宣言が解除された翌朝のJR品川駅。通勤客は完全には戻りきっていないが人の波が途切れることはなかった。山手線を利用し、港区のオフィスで働く40代の男性会社員は「昨日にくらべたら少し混んでいたかも。あまり椅子に座らないなど意識はしていかなければいけない」と話し、仕事場へ向かった。
■午前8時 東京・板橋

保育園に子どもを預けに来た母親(26日午前、東京都板橋区の舟渡保育園)=中岡詩保子撮影
板橋区の舟渡保育園は緊急事態宣言中の子どもの受け入れを、医療従事者ら仕事を休めない家庭に絞ってきたが、宣言解除を受けてきょうからは徐々に受け入れ人数を増やしていく。宣言解除を受けて、仕事に復帰する家庭が増えてきたという。板橋区に住む介護士の女性(30)は、宣言発令以降祖父の家に2歳と3歳の男児を預けていたが、5月に入ったころから週2、3回ほど登園させている。仕事を休むこともできず、祖父も疲れてしまったためで、「子どもたちは元気いっぱいなので、公園でも遊具にテープが貼られるなど満足に遊べず窮屈そうだ。保育園に通って友達と会えることをうれしがっている」と話していた。
■午前8時 千葉市

分散登校が始まり、登校する児童(26日午前、千葉市美浜区の市立磯辺第三小学校)=今村幸祐撮影
千葉市立磯辺第三小学校では、きょうから分散登校がスタート。1~3年生の児童がマスク姿で登校した。「おはようございます」と校門前で出迎えた先生は、「間(あいだ)をあけよう!」と書いた看板を持って注意を呼びかけた。小学2年の女子児童は「久しぶりにクラスのみんなに会えてうれしい」とにこやかに話し、教頭を務める40代男性は「長かった。やはり子どもたちと会えるのはうれしい。ただ不安も大きく、気を抜いてはいけない。これからが本番」と気を引き締めた。
■午前7時15分 東京・大手町

職場に向かう人たち(26日午前、東京・大手町)
大手町のオフィス街では、マスク姿の会社員に交じって、リクルートスーツを着た就職活動中の学生も行き来していた。宣言の解除で出勤する人が増えたためか、信号待ちの際には人と人との間隔が狭くなる場面も。金融機関に勤める台東区の30代女性は「時間的に余裕があったテレワークが減るのは残念。当面は週の半分ほどの出勤だが、通勤に充てる時間がもったいない気がする」と漏らす。ただ、「緊急事態宣言解除をうけて営業を再開するお店もあるので、ランチは楽しみ」とも語った。
■午前7時 埼玉・さいたま新都心駅

マスク姿で通勤する人たち(26日午前、JRさいたま新都心駅)=淡嶋健人撮影
緊急事態宣言の発令前より人はまばらだが、仕事に向かうマスク姿の人々が次々と改札を通っていった。都内から通勤した男性会社員(56)は「立っている人も多く電車も少し混んでいた。つり革は誰が触っているかわからないが、宣言が解除されたのは少し安心」と話す。「テレワークだと同じ部内の人とも電話で連絡を取らないといけないなど業務もやりにくい。やはり出社の方がいい」と笑顔をみせた。
■午前6時55分 東京・皇居

皇居周辺でランニングする人たち(26日午前、東京千代田区)
皇居周辺では、前後の間隔をあけて走るマスク姿のランナーが目立った。貿易会社を営む文京区の男性(47)はポケットから除菌スプレーを取り出し、「頻繁に手やマスクを消毒している。もう手放せない」と苦笑い。新型コロナの感染拡大以前は毎週末ショッピングなどに繰り出していたが、2カ月前から遠出を控え、運動不足解消を兼ねて朝、体を動かしている。「ワクチンができるまでは皇居ランで我慢する」と話した。
■午前5時50分 東京・豊洲市場

緊急事態宣言解除から一夜明けた豊洲市場(26日午前、東京都江東区)=藤井凱撮影
東京の台所・豊洲市場には早朝からトラックが出入りし、食材を調達しにカゴを持って歩く飲食店関係者の姿もあった。水産加工会社で働く女性(39)によると、メインの顧客であるホテルや寿司屋からの注文は激減し、売り上げは5割程度に落ちたという。「完全に戻るまでは時間がかかると思うが、6月に向けて徐々に注文が増えたらいいな」と話していた。
■26日午前0時 東京・銀座

空車のタクシーが目立つ銀座・中央通り(東京都中央区)=野岡香里那撮影
銀座・中央通りに午前0時を知らせる鐘の音が響き渡った。人通りは少なく空車のタクシーが目立つ。25日に食品売り場の営業を再開した松屋銀座(写真左側)には、6月1日からの全館での営業再開を知らせる張り紙が掲示されていた。
■午後8時 東京都港区

7色にライトアップされたレインボーブリッジ(東京都港区)=柏原敬樹撮影
東京湾のレインボーブリッジが7色に彩られると、カメラやスマートフォンを構えた人たちが盛んにシャッターを押した。政府による緊急事態宣言の解除を受け、東京都はレインボーブリッジと東京都庁で7色のライトアップを始めた。都が休業要請を緩和する目安として掲げた7つの指標を象徴させた。午後8時から午前0時に毎日点灯するが、7つの指標のうち1項目でも目安を超えた場合は赤色にライトアップし、警戒を呼びかける。
■25日午後6時半すぎ 東京・新宿

緊急事態宣言の全面解除を表明する安倍首相が大型ビジョンに映る(東京都新宿区)=野岡香里那撮影
新宿・歌舞伎町の飲食店街に夜の明かりがともった。向かいのビルの大型ビジョンには緊急事態宣言の全面解除を表明する安倍首相が映り、道行く人たちの中には足を止め画面を見つめる姿も見られた。
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May 26, 2020 at 05:05AM
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