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ベテラン苦戦、初心者増加 個人投資家3万5000人調査 - 日本経済新聞

写真はイメージ=PIXTA

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コロナショックによる相場急落で20~30代の投資初心者が多数参戦する一方、ベテラン投資家は乱気流相場に苦戦――。日経マネーが実施した「2020年個人投資家調査」の結果からは、新型コロナウイルスの影響が個人の資産運用に様々な形で波及した実態が浮かび上がる。その調査結果を4回にわたり詳報する。1回目は個人投資家層の変化や今年の運用成績の特徴などを解説する。

■2020年投資デビュー組、20~30代で5割超え

調査は2020年4月15日~5月6日にインターネット上で実施。3万4973人から回答を得た。結果で目を引いたのは、投資初心者の割合の増加だ。2020年から投資を始めた人(投資歴6カ月未満で昨年投資実績がない人)は3777人。回答者全体の10.8%にのぼり、昨年調査より約5ポイント増えた。

年代では30代が35.2%で最も多く、40代(26.8%)、20代(20.1%)が続いた。投資デビュー組に占める20~30代の割合は5割を超えた。男女比は7対3だった。

証券口座を開いた理由(複数回答)は、「自分で老後資金を確保したい」(50.7%)と「投資でもうけたい」(50.6%)が拮抗。40代以上では老後資金がトップ。20代、30代は投資でもうけたいが最も多く6割に迫った。

「コロナショックで株価が大きく下がった」ことを口座開設の理由に挙げた人は28.9%。20代、30代で3割に達した。

コロナショックによる株価急落で、3月はネット証券の新規口座開設が急増。大手のSBI証券の月間新規口座開設数は12万口座、楽天証券は16万口座に達し、いずれも過去最高を記録した。株価急落を資産形成を始める好機とみて口座開設に踏み切った個人の動きが、調査結果からも読み取れる。

投資を始めるにあたり準備した資金は50万円未満が最多。50万~100万円未満と合わせると、全体の約7割を占めた。投資先では日本株が最も多く(58.4%、複数回答)。先進国株の投資信託・ETF(上場投資信託)、日本株の投信・ETFが続いた。

日本株は2018年に売買単位が100株に統一されたことに加え、最近は1株(単元未満株)から投資できる仕組みや、買い物などでたまるポイントで株や投信を買えるサービスも広がっている。少額から投資できる仕組みの普及も、初心者の裾野拡大につながっているようだ。

■コロナショックで勝ち組割合が激減

個人投資家の運用成績で顕著だったのは、今年1~3月の運用成績がマイナスに沈んだ人が多かったことだ。

投資歴半年以上の人に運用成績について聞いたところ、2019年の運用成績(日本株や外国株などリスク資産全体の、投資元本に対する騰落率)はプラス1%以上だった人が5割を超えたが、2020年1~3月末でみるとプラス運用は24.3%どまり。「勝ち組投資家」の割合が急減した。コロナショックによる相場急落の影響などで、プラス運用だった人は4人に1人にとどまる一方、2ケタのマイナスと答えた人は4割にのぼった。

例年は投資歴が長いほど運用成績が良い傾向があるが、今年1~3月はベテラン勢の苦戦ぶりが見て取れる。投資歴10年以上のベテランでプラスの運用成績だった人の割合は24.1%と全体平均並みだったのに対し、マイナスの割合は54.2%と10年未満の層を上回った。

コロナショック時の相場急落への対応を聞いたところ、1~3月の運用成績がプラスだった人は「リスク資産を少し増やし、その多くを保有中」(32.0%)との回答が最も多かったのに対し、マイナスだった人は「様子見の姿勢であまり売買していない」(36.6%)が最多。運用成績がプラス40%以上の人では、「リスク資産を大幅に増やし、その多くを保有中」と答えた人が最も多く、3割を超えた。相場急落に際し、割安になった株を積極的に買い向かった人がコロナ相場を勝ち抜いたことがうかがえる。

リーマン・ショックを経験した人の中で、今回の相場急落に「経験が生かせた」と答えた人は46.1%。「前回はただ傍観している感じだったが、今回は損切りや買い増しを着実に実行できた」(50代男性)、「リーマンの時は信用取引で手痛い思いをしたが、今は現物のみ、米国株長期投資なので、願ってもない買い場だった」(40代男性)などのコメントが寄せられた。

■会社員で億超えが3割に迫る

保有資産が1億円を超える「億超え投資家」は673人(1.9%)。年代は50代が34.2%でトップ、60代が30.2%で続いた。

投資歴は10年以上の人が8割を超えた。職業では、昨年トップのリタイア組を抜き、会社員(28.2%)が最多となった。公務員も5.6%いた。

投資スタイルでは、日本株の「高配当・優待狙い」と「大型優良株中心」が2割超え。日本株主体のバリュー投資、欧米先進国主体の海外株投資が続いた。保有銘柄数を見ると、平均値より銘柄数が多い傾向が顕著だ。10銘柄以下と答えた人は27.8%で全体平均(65.8%)を大幅に下回る一方、50銘柄超の人が26%いた。

銘柄の平均保有期間で最も多かったのは「3年以上」。4割を超え、全体平均を20ポイント近く上回った。銘柄分散、中長期保有を実践している人が多いことが分かる。

■つみたてNISAの活用広がる

資産形成に有利な制度や手軽に投資にチャレンジできるサービスの活用の広がりも浮かび上がる。つみたてNISA(少額投資非課税制度)を利用している人は40.4%で、前年より6.6ポイント増えた。20代、30代の利用率が高い。今年投資デビューした層の利用率は5割を超えるなど、税制優遇制度を活用した資産形成の有利さが広く浸透しつつあることがうかがえる。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用率は28.1%(前年26.9%)。利用率が最も高かったのは40代で35.7%。30代と50代でも3割を超えた。

今年から新たに調査項目に加えた「キャッシュレス決済」は7割が活用。使い勝手について「満足」「非常に満足」と答えた人は8割にのぼった。ポイントを株や投資信託の購入に使う「ポイント投資」の利用率は42.1%。20代、30代では5割にのぼった。気軽に投資に挑戦できる新しいサービスとして若い世代に受け入れられつつあるようだ。

調査結果の詳細は19日発売の日経マネー8月号に掲載する。

(佐藤珠希)

個人投資家調査の概要
個人投資家の運用成績や投資先などを調べるために日経マネーが2007年から毎年実施しているインターネット調査。今年で14回目。調査実施は日経BPコンサルティング。2020年は4月15日~5月6日に実施。有効回答数3万4973。

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June 18, 2020
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