日本時間6月23日未明に開催されたWWDC20でアップルはMacのCPUを自社製チップ(Armベース)に置き換える計画を発表しました。その同じ日に、Armベースのスーパーコンピューターが、初めてスパコン世界ランキングTOP500の首位に立ちました。
そのスパコンとは日本の理化学研究所と富士通が開発した「富岳」。CPUには48コアSoCのA64FXを搭載します。27年ほど前によく似た名前のAMD製CPUがあった気がしますが、もちろんそれとは関係なく、こちらは富士通が開発したCPUです。
富岳ではこのA64FXを15万8976個使用し、415ペタFLOPSというとてつもない処理速度をたたき出します。これは2年間、4回にわたって1位を守ってきたIBM Summit(今回2位)を大きく上回る、大差での1位です。
TOP500ではインテルやAMD製のCPUを使ったスパコンがその大半を占めていますが、今回はArmベースのスパコンも4システムがランキングに食い込んでいます。富岳が他と違うところは、人工知能研究などを目的としたGPUアクセラレーターを使っていないところ。これは性能面では不利になるかもしれませんが、消費電力の面ではArmベースの利点とともに相乗効果を生み出す大きなメリットにもなります。富士通は2019年11月に富岳(プロトタイプ)がGreen500で世界1位になったとき「アクセラレータを用いた他システムを上回る消費電力性能を持ち、かつ、汎用CPUのみの他システムと比較して約1/3の電力で処理を行える」と述べていました。
スパコンの性能は日進月歩であり、米Cray Computingは現在、AMDが支援する1.5エクサFLOPSのシステムや、インテルともエクサFLOPSレベルの新システム開発をそれぞれの提携する機関とともに開発しています。また量子コンピューターが実用化の域に入ってくれば、ランキングの景色も大きく変わるかもしれません。
とはいえ、富岳が持つ低消費電力と高性能の両立は、費用対効果の面で今後も優位にはたらくと考えられます。今後はランキングの維持よりも、いかに富岳を活用して成果を数多く生み出していくかが重要になってくるはずです。先だっては新型コロナウイルス(COVID-19)の感染の元となる、くしゃみや咳による飛沫の飛散を富岳によってシミュレーションした結果が公表されていました。
現在はまだ試験稼働の段階ですが、理研は新型コロナウイルス研究に優先的に富岳を活用すると述べており、全世界での死者数が900万人を超えたこの災禍の終息に大きな貢献をもたらすことが期待されます。
Source:TOP500
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June 23, 2020 at 10:44AM
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