国営大蘇ダム、初の専門家調査 漏水問題「見た限り健全な状態」 | kumanichi - 熊本日日新聞

　九州農政局は１０日、今年４月に供用開始し、想定量を大きく上回る水漏れが発生している国営大蘇ダム（熊本県産山村）について、初の専門家による現地調査を実施した。

　参加したのは、同局の安全性評価委員会（委員長、向後雄二・東京農工大名誉教授）のメンバーで、地盤や農業水利施設の保全・管理の専門家ら６人。

　小型無人機（ドローン）を飛ばして、貯水池を上空から撮影。専門家らは、コンクリートなどで覆った浸透対策工事の現状をリアルタイムで映像で確認した。ダム本体や盛り土の状況、本体に隣接する浸透量観測施設に流れ込む水量や水質も目視で調べた。

　向後委員長は「見た限りでは、（劣化や破損などもなく）健全な状態だった」と説明。その上で「水収支（ダムへの流入量と流出量の差）の絶対量を計るのは難しい。精度を上げる努力が必要」と指摘した。

　一方、最大の受益地・大分県竹田市の首藤勝次市長は、現地調査に立ち会い「水がどこからどの程度浸透しているかが分からないし、上から見るだけの調査には疑問だ。原因が何なのか突き詰めてほしい」と話した。

　同評価委は１１日、熊本市西区のホテルで、現地調査に続き漏水問題の検討会を開催。１０日の調査結果や浸透量の水位など数的データも加味して協議する。（東誉晃）

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December 11, 2020 at 05:50AM
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