楽天が通販サイト「楽天市場」で3980円以上を購入すると送料を無料にする統一基準を導入することについて、公正取引委員会が10日、立ち入り検査に乗り出した。楽天は自営回線の携帯電話事業やキャッシュレス決済でも課題が山積しており、対応を誤れば、経営上の不安の種となりかねない。出店者らの反発が、巨大IT企業の運営に一石を投じた形となった。
楽天は昨年末、楽天市場での商品の送料を一律無料にする制度を2020年3月18日に導入すると出店者側に通知した。楽天市場では現在、送料は出店者ごとに設定されている。このため、商品価格を安く表示して検索されやすくする一方で、送料を割高に設定する出店者もおり、利用者からは「支払総額が分かりにくい」といった声が挙がっていた。
送料無料の基準設定は難しい。高く設定すれば1回当たりの購入額は上がるが、新規顧客は減る傾向がある。楽天によると、実証実験では基準を3980円にした場合、新規顧客数と購入額がいずれも15%程度伸びたという。
統一基準が導入されれば、無料となる送料分を商品価格に転嫁するか、出品者が負担する必要がある。これを嫌った一部出店者が強く反発。数百の出店者らでつくる任意団体「楽天ユニオン」は1月に、送料無料の一律実施が独占禁止法に抵触するとして、公取委に調査を求める署名を提出していた。
これに対し、三木谷浩史会長兼社長は、1月末にツイッターで「公取委やマスコミにリークして、(楽天を)牽制(けんせい)するやり方はあまりに時代錯誤でひどすぎる」と反発する出店者を痛烈に批判。出店者向けのイベントで「政府、公取委と対峙(たいじ)してでも実施する」と述べ、強気姿勢を崩さなかった。
背景にあるのは、米アマゾン・コムとの激しい競争だ。アマゾンは各地に巨大な倉庫を建設。商品在庫を抱えながら、全国にほぼ均一な自社物流網を敷く。
一方、楽天は規制緩和の象徴として“楽市楽座”を創業精神に掲げ、仮想商店街として、出店する店舗の個性によって成長してきた。ただ、その多くは中小規模の個人経営者たちだ。楽天は自社物流網の構築を急ぐが、道半ばにある。
楽天は昨年10月の開始が半年遅れた携帯電話事業では、試験サービスでの通信障害や基地局整備の遅れで、計4度の行政指導を受けた。スマートフォン決済「楽天ペイ」でもシステム障害が相次ぐ。
競争を急ぐあまり、全国に散らばった5万店の中小出店者との間に亀裂が入ったままでは、携帯電話事業を接点に、利用者が本業の通販事業や金融事業などさまざまなサービスを回遊する「楽天経済圏」の青写真にも影響が出かねない。(高木克聡)
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February 11, 2020 at 05:25AM
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「楽天経済圏」構想に影響も 対アマゾン急ぐあまり…出店者との亀裂深刻(SankeiBiz) - Yahoo!ニュース
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