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関電、75人が3.6億円相当の金品受領 今夜社長会見 - 朝日新聞社

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から金品を受け取っていた問題で、関電の第三者委員会は14日、調査結果を公表した。受領者は75人で、総額計約3億6千万円相当だった。これを受け、関電は岩根茂樹社長(66)が引責辞任し、後任に森本孝副社長(64)を選んだ。新旧社長は同日夜、関電本社で記者会見する。

 報告書では、森山氏が金品を提供しつつ自分が関係する企業への発注を強く求め、関電がそれに応じて実際に発注していたと認定。「異常な関係が30年以上も継続してきたことは、明らかなコンプライアンス違反で、ガバナンスの観点からも極めて重大かつ深刻な事態だ」と指摘した。

 金品の提供は森山氏が1987年に助役を退任した直後に始まり、2010年代まで満遍なく行われた。受領者は原子力部門を中心に多岐にわたった。特に11年の東日本大震災後、原発の新規制基準に対応するため工事発注が増えた時期に、受領者や金額が大きく増えたとした。

 森山氏が金品を提供した意図については、「見返りとして、自分の関係する企業への工事などを発注させ、その企業から経済的利益を得る仕組みを維持することが主な目的だった」と指摘した。

 それに対し、関電の役職員らは、森山氏の関係会社に工事を発注することを約束し、実際に発注することもあったと認定。工事に関する概算額などを事前に伝えることもあったとした。

 こうした行為は、「発注プロセスの適切性や透明性をゆがめる行為で、関電の利益を損なわせる恐れをはらんでいる」と関電の対応を批判した。

 金品の原資については、森山氏が役員や顧問を務めた関係会社から受け取った多額の報酬だったとした。

 第三者委のメンバーは委員長の但木敬一・元検事総長ら4人。関電が2018年に行った社内調査は直近7年に役員を務めた幹部らが対象だったが、今回は約30年前までさかのぼって調べた。その結果、20人が計約3億2千万円相当を受領していたとする社内調査結果を大幅に上回る受領者が判明した。

 関電は報告書の公表に先立ち、内藤直樹常務執行役員が東京・霞が関の経済産業省を訪れ、調査結果を報告した。出席者によると、対応した村瀬佳史電力・ガス事業部長から「早急に内容を精査し、その上で厳正に対処する」と伝えられたという。関電に対する具体的な処分内容への言及はなかったとした。

 内藤氏は報告後の取材に「お客様や社会のみなさまの信頼を損ねる行いがあったことを深くおわび申し上げる」と陳謝。「第三者委員会のご指摘を真摯(しんし)に受け止め、再発防止や会社の改革に鋭意取り組みたい」と述べた。

 経産省は昨年9月、電気事業法にもとづき、関電に問題の原因などを調べて報告するよう求めていた。

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March 14, 2020 at 01:40PM
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