トランプ氏の勢いを今回も読めなかった
2016年に続いて、今回も世論調査がトランプ氏の勢いを予想しきれなかったのはなぜなのか。写真はカリフォルニア州の投票所での開票の様子(写真:ロイター/LUCY NICHOLSON)
アメリカ大統領選挙の開票結果が11月3日の夜に徐々に伝えられる中、一緒に既視感も高まっていった。事前の世論調査は再び誤っていたようなのだ。
アメリカ国民はペンシルベニアやアリゾナなどの激戦州の集計を待っているのだが、いずれの候補が勝者になるにせよ、すでに明らかなことがある。世論調査機関が4年前にドナルド・トランプ大統領への支持を低く見積もることにつながった問題は解消されていなかったのだ。
このことはジャーナリズムがデータと統計予想を主体とするこの時代において、国民の関心を集めるこれらの調査機関が信頼を揺るがすこうした事態から立ち直ることができるのか、という疑問を生む。
重大な問題を抱えていたことを示す証拠
「開票結果をすべて調べて、どこで選挙前の世論調査と最終的な投票結果の隔たりが起きているのかを知りたい」と語るのは、ペンシルベニア州のミューレン大学世論調査研究所長クリスファー・ボリック氏である。「重大な問題を抱えていたことを示す証拠は数多くある。それらがどれほど重大であったかがこれからの課題だ」。
事前調査ではトランプ氏が僅差で破れると予想されていたオハイオ、アイオワ、フロリダなどの各州においては3日の夜の時点で早々にトランプ氏の勝利が伝えられていた。また、ジョー・バイデン氏が余裕を持って勝利すると予想されていたミシガン州やネバダ州などでは4日の時点でも勝者が発表されるには開票結果があまりに僅差すぎる状態である。
選挙の予想というプロセスは、ある意味扱いづらいものであることは事前に明らかであった。郵便投票と投票所における事前の直接投票がいまだ集計されていないなか、共和党の地盤である地域においては開票が最初に行われる投票日の直接投票を行う有権者が多かったため、おおかたの州における初期の開票結果はトランプ氏に対する支持の高さを誇張する傾向にあった。
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November 07, 2020 at 05:10AM
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