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4月に開始 料金は「余裕をもって発表」――楽天モバイルのMNOサービスはどうなる? - ITmedia

 既報の通り、楽天モバイルは1月23日から、MNOサービスの「無料サポータープログラム」の2次募集を開始した。その発表会の場で、同社の山田善久社長が“本格的な”MNOサービスを4月から開始することも明言した。

 この記事では、発表会の模様のうち、無料サポータープログラムの現況と、MNOサービスの本格スタートに関する事項に的を絞ってレポートする。

山田善久社長 楽天モバイルの山田善久社長

無料サポータープログラムの申し込み者は「品質を試したい」

 ITmedia Mobileでも何度か取りあげているが、楽天モバイルのMNOネットワークは「完全仮想化」をしていることが大きな特徴だ。汎用(はんよう)機器の比率を高めることで「圧倒的な低コスト」(山田善久社長)を実現し、それを低廉なサービスの提供につなげる狙いがある。

 機会がある度に、同社の三木谷浩史会長(楽天社長)は完全仮想化ネットワークに自信を示している。しかし、「新しい技術でもあり、ネットワークの安定稼働に向けて慎重には慎重を期す」(山田社長)必要もある。そこで本格的な商用運用を始める前に無料サポータープログラムを開始したというわけだ。

無料サポータープログラム 無料サポータープログラムは、完全仮想化ネットワークの安定稼働を確かめる目的もある

 そのような意図をくんだのか、無料サポータープログラムの1次募集(定員約5000人)に当選した人に申し込んだ理由を複数回答形式で聞いた所、「『無料だから』ももちろん多いが、『ネットワーク品質を試したいから』という回答が8割以上」(山田社長)だったという。「新規参入の楽天モバイルを応援したかったから」という回答も半数以上いたとのことだ。

 期待を寄せて無料サポータープログラムに応募し、当選したユーザーは、2019年12月の月間実績で平均15GB以上のデータ通信と、平均30分以上の音声通話をしているという。利用条件と照らし合わせると思ったよりも少ないように感じるが、データ通信量の平均値だけを見ると、総務省が同月に行った調査の約3.7倍の値となっている。無料サポータープログラム参加者は、「(データ通信を)たくさん使いたがっている」(山田社長)ことが分かる。

アンケート結果 無料サポータープログラムに応募した一番の理由は「ネットワーク品質を試したかったから」が一番多かったという
利用状況 2019年12月の利用状況の平均値。そこそこ旺盛な利用が見られるようだ

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本格商用サービスに向けて品質改善を実施

 無料サポータープログラムの参加者からの声は、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもある。ただ、基本的には「月を追うごとにユーザー満足度は上昇する傾向にある」(山田社長)という。

 その要因の1つとして、本格的な商用サービス開始に向けた設備の整備にあると思われる。同社が自前設置する屋外基地局は、無料サポータープログラムを開始した2020年10月時点では2000局を割る状況だった。しかし順次増強を進めた結果、2020年1月23日現在において3020局まで増えたとのことだ。

ユーザーの声 無料サポータープログラムのユーザーからの声。ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもある
置局状況 基地局は2020年3月までに計画以上の数をそろえられる見通しだという

 同社が総務省に提出した開設計画では、2020年3月までに基地局を3432局を整備するとしていたが、同月までにそれを上回る4400局まで増える見込みとのことだ。その結果、現在自社でサービスを提供している東京、大阪、名古屋の都市圏における屋外エリアは開始当初よりも広がっている。エリア化の状況はWebサイトで確認できる。

東京圏 東京圏では、23区外(多摩地区)や埼玉県、神奈川県も一部で自社エリアとなった
大阪圏 大阪圏では、2019年10月時点ではほぼピンポイントだった神戸市内の自社エリアが拡大。地図から漏れているが、京都市内も自社エリア化が始まったという
名古屋圏 名古屋圏の屋外エリアも拡大をしている

 東京23区内、大阪市内、神戸市内と名古屋市内については、屋外のエリア化が進んでいる一方、屋内についてはつながりにくい場所がある。無料サポータープログラムのユーザーから、自宅ではつながりにくいという申告を受けることもあるという。

 そこで、屋内に設置できるフェムトセル基地局(※)として「Rakuten Casa」を提供すべく準備を進めているという。設置場所に光インターネット回線があれば設置可能で、Wi-Fi(無線LAN)ルーターとしての機能も備えている。

(※)自宅や店舗など、ごくごく小さい範囲をエリア化するための基地局。屋外基地局からの電波を増幅する「リピーター」では品質的に不十分な場合に設置されることが多い。ただし、あくまでも“基地局”なので、設置には所定の手続きが必要で、置く場所を移動する際も手続きが必要な場合がある

Rakuten Casa(正面)Rakuten Casa(背面) 楽天モバイルがエリア対策の一環として用意したフェムトセル基地局「Rakuten Casa」。Wi-Fiルーターとしても利用できる

 ただ、自社エリアの拡大はそれなりに時間がかかる。そこでau(KDDIと沖縄セルラー電話)とのローミングでエリアを補完しているが(参考記事)、現時点ではローミング方式の問題で自社エリアからauエリアに移ると通信が途切れてしまう。これでは快適とはいえない面もある。

 そこで、4月をめどにローミング方式を変更し(参考記事)、エリアをまたぐ利用時も通信を継続できるように改める。これにより、特に音声通話時の品質向上が期待できる。

 楽天モバイルでは、今後も継続的に通信品質の改善に努めていくという。

ローミング方式を変更 4月をめどにauとのローミング方式を変更することで、自社エリアとauエリアをまたぐ際の通信品質を向上する
品質改善に努める 今後も通信品質の向上に努めるという

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ショップ体験もアップデート

 今回の発表会は、1月23日にオープンした「楽天モバイル 恵比寿店」(東京都渋谷区)で開催された。この恵比寿店はMNOとしての本格スタートに向けた新コンセプトのショップだという。

恵比寿店 楽天モバイル 恵比寿店(写真提供:楽天モバイル)

 新コンセプトは「シンプル」「デジタル」「自由」の3つがキーワード。デザインは佐藤可士和氏の監修に基づくものだ。

 まず、店内はスマホの体験展示が中心で、基本的には店内のどこでも契約手続きができるようになっている。端末には盗難防止用のワイヤー類をあえて付けないことで、手触りや重量感をしっかり体験できることも魅力だ。この「ワイヤレス展示」を実現するために、ワイヤレスで盗難防止を図る仕組みを新たに開発したという。

 ポスター類の掲示もなく、その代わりに建物の柱などにあるデジタルサイネージを活用して商品などのアピールしている。

新ショップの特徴 新しいコンセプトのショップの特徴
恵比寿店の中 恵比寿店の店内イメージ。スマホの体験展示が中心で、ポスター類の掲示もない(写真提供:楽天モバイル)

 契約手続きにも工夫を凝らす。同社はWebでの契約をメインに据える方針だが、それでも契約や端末購入を店舗でしたいというニーズはある。一方で、昨今の携帯電話販売店では、手続きにかかる時間が長くなる傾向にある。

 そこで、楽天モバイルのMNOサービスでは、楽天グループの「楽天ID」を活用し、契約に必要な情報を事前入力することで、店頭では「重要事項説明」「本人確認」「機種の受け取り」の3点に絞り、最短18分で手続きを完了できる仕組みを導入する。

ショップ来店前にできる手続きをすることで店頭での手続き時間を短縮

肝心のプランは「十分な告知期間をもって」発表へ

 冒頭で述べた通り、今回の発表会では本格的なMNOサービスの開始が“4月”であると明言された。しかし、肝心要である料金プランの発表は見送られた。

 この点について記者から問われた山田社長は「4月には(サービスを)開始しますので、ユーザーの皆様に十分に告知できるように、余裕を持った形で発表する」とした。遅くとも2月中には発表することが期待される。

山田社長 質疑に応じる山田社長

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