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デジタル社会に不可避の陥穽 国勢調査オンラインに感じた不安 - ITmedia

産経新聞

 先の週末、拙宅でも国勢調査の回答を済ませた。職業柄、国勢調査に基づく各種統計はよく使うし、調査の意義も分かる。統計法で回答が義務付けられていることもあり、7日の回答期限を目前に、慌ててスマートフォンで国勢調査オンラインにアクセスした。

 総務省の一押しであるネットでの回答は、なるほど手軽で便利である。さほど時間もかからなかった。唯一、回答の手が止まったのは、勤め先の名称や事業内容、本人の仕事内容まで詳細に記入させられたときである。

 正直なところ、ここまで必要なのかと思った。妻の勤務先を含む家族全員のデータが事細かく政府に把握されるというのは、やはり居心地が悪い。外部に漏れたらどうなるのか。同じ不安を抱いた人は多いのではないか。

 電子データが「21世紀の石油」といわれる時代である。全国民対象の国勢調査の結果は究極のビッグデータだろう。誰かが統計以外で活用したいと考えても不思議ではない。

 もちろん、国勢調査に携わる人には個人情報の守秘義務が課され、内容は厳重に保護される。これを信じたとしても、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃への心配は依然残る。

 筆者は別段、ネットやデジタル技術の効用を否定したいわけではない。むしろ逆である。経済・社会や暮らしが豊かになるなら、先端技術を積極的に活用すべきだと考えている。

 ただ、技術は手段であって目的ではない。デジタル実装を進めてもバラ色の未来が来るとはかぎらない。デジタル化がより良い社会への道具立てにすぎないなら、そのリスクをきめ細かく吟味する作業も併せて必要である。

 東京証券取引所で全銘柄の取引停止を招いたシステム障害は、デジタル社会の脆弱(ぜいじゃく)性を改めて想起させた。デジタル化推進を掲げる菅義偉政権が早々に冷や水を浴びせられたとの声もあるが、問われるべきは、デジタル社会の陥穽への備えが万全かどうかだ。

 その意味では米中ハイテク摩擦も人ごとではない。TikTok(ティックトック)問題を含め、個人情報が中国に流出する懸念への対処策は、米国任せではなく、菅政権が主体的に考えるべき課題である。デジタル化の効用を唱えるばかりでは心もとない。

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October 07, 2020 at 05:00AM
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