新型コロナウイルス感染者がどこで、誰から感染したか、濃厚接触者は誰かを追跡する保健所の「積極的疫学調査」は今後、調査に優先順位を付けることになった。感染者急増で保健所の人手が足らないことなどが背景にある。高齢者施設の調査を先にし、重症化や死亡のリスクを減らすことを目指す。(井上靖史、藤川大樹、丸山耀平)
厚生労働省はこれまで、感染経路を特定し、クラスター発生を抑え、感染拡大を防ぐ方針だった。しかし、市中感染が増え、感染経路を追えなくなっている。札幌市では繁華街・ススキノでクラスター(感染者集団)が多発して「経路不明」が増え、さらなるクラスターを招いた。
大都市を中心に経路不明が増えている。19日は、東京都が約58%、大阪府は約64%と、高い水準にある。厚労省に助言をする専門家組織で、優先順位を議論した「アドバイザリーボード」のあるメンバーは「今の流行状況は、クラスター対策をどう頑張っても、流行自体を制御するのは非常に難しい」と指摘した。
◆エビデンス判明で順位付け
アドバイザリーボード事務局の佐々木健・内閣審議官は「(重症化の)エビデンス(根拠)が分かってきたため、優先順位を付けていくことにした」と話す。
重症化リスクの高い高齢者らと接触した感染者や高齢者施設で発生した感染の調査を最優先。併せて感染が拡大する地域の高齢者施設で、発熱者がいる場合は必ず調査をする。
次に、感染が地域に拡大しやすい状況にある感染者を優先する。順位付けにより、ほかの調査に手が回らなくなる可能性もあるが、具体的にどのように調査を進めるかは「各保健所の体制による」と述べた。
◆現場は疲弊…的しぼった対策を
感染源を推定する調査(後ろ向き調査)は、これまでの14日間から7日間に減らす。保健所は厳しい現状に置かれている。神奈川県の黒岩祐治知事は19日、全国知事会と国との意見交換会で、調査を簡略化し、感染を広げる可能性の低い人を外すように求めた。
横浜市では連日、新規感染者が100人以上となり、感染者1人に2、3日かかる調査に追われるようになったという。市の船山和志・健康安全医務監は「現場は疲弊している。集団感染など、的をしぼった対応が必要だ」と訴える。
繁華街の人出が増えている東京23区のある保健所担当者は「皆さん、活動的。第1波の時は、濃厚接触者はせいぜい家族だったが、今は範囲が広い」。小学校や福祉施設などで発生すると「多い場合は70人とか90人の場合すらある」。
保健所の調査に協力しない人も目立ってきた。福岡県議会は12月議会で、調査への協力を感染者に義務づける罰則付きの条例制定を検討中だ。福岡・中洲の接待を伴う飲食店で感染が起きた際、感染者がなかなか店名を明かさず、調査が難航したことが背景にあるという。
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