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消費者安全調査委員会は2020年6月19日、遊園地のプール水面に設置されたエア遊具の下で、ライフジャケットを着用した児童が溺水し、死亡した2019年8月の事故に関する調査報告書を公表した。報告書は事故原因を特定していないが、落水して遊具の下に潜り込んだ際に、着用したライフジャケットの浮力が遊具の下から抜け出す障害になる可能性を示唆した。
事故が発生したのは2019年8月15日。場所は遊園地「としまえん」(東京・練馬)だ。としまえんのプールには、空気を充填して浮力を保持する空気膜構造の大型遊具(以下、エア遊具)を水上に設置した遊戯施設「ふわふわウォーターランド」があった。ライフジャケットを着用した児童が溺死しているのが見つかったのは、この遊戯施設のエア遊具の下(水中)だった。
消費者安全調査委員会は、エア遊具型の遊戯施設が全国の遊園地などに多数設置されており、類似事故でも死亡者が出ている点を重視*1。同種の遊戯施設が今後も増加すると見込まれることから、事故原因などの調査を開始。2020年6月19日に調査報告書(以下、報告書)を公表した1)。
*1 消費者安全調査委員会は、エア遊具などで構成された遊戯施設の運用と安全などに関するアンケート調査を実施。国内の26施設を対象に調査して、2015年以前に運営を開始した施設が9施設なのに対し、2016〜2017年に開始したのは7施設、2018〜2019年に開始したのは10施設という結果が出た。
報告書はこの事故の原因を特定はしていない。ただし、同種の遊戯施設で、ライフジャケットを着用した児童がエア遊具下に潜り込む可能性と、遊具の下に潜り込んだ状態から遊具外に抜け出す困難さを確認する実験を実施。ライフジャケットを着用した状態で遊具から落水した場合に浮上する際に遊具の下に潜り込むケースがあること、その際にライフジャケットの浮力が障害となって遊具外に抜け出すのが困難となることを実験結果から明らかにしている。本来、利用者の安全性を高めるために着用するライフジャケットが、児童の生命を奪う要因の1つになった可能性を示唆した。
本稿では報告書を基に、エア遊具*2での溺水事故の概要と推察される原因について解説する。
*2 報告書はエア遊具の他に、浮力を有する発泡材(ポリエチレンフォームなど)製のマット形状の「浮島タイプ」の水上設置遊具も調査対象としている。本稿では、としまえんのプールの遊戯施設で使われていたエア遊具に関する報告を主に取り上げる。
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July 16, 2020 at 03:00AM
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救命胴衣着用に疑問符、としまえん事故調査10カ月後の結論 - ITpro
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